岸優翔(3年/Team staff/市川高校)
お久しぶりです。
何してたんだとよく聞かれますが、本当に何もしていません。だけどサッカーはよく見ていました。1年生の時と比べても色々なことを知りました。以前よりも成長した姿を見せられるように頑張ります。
最近良いなと思った話があります。これは結構有名な逸話なので知っている人も多いかもしれません。うろ覚えなので間違っていたら申し訳ないです。
08-09シーズン、この年はペップ・バルサ初年度であり、世界を席巻した1年でした。
舞台はチャンピオンズリーグ、バルセロナvsスポルティングの一戦。当時はメッシエトーアンリという何とも破壊的な3TOPが君臨していました。
今回の主役はティエリ・アンリ。言わずとしれたアーセナルのレジェンドであり、フランス最高の選手の一人。そんな彼は前シーズンにバルセロナにやってきました。
この試合、アンリは左WGとしてプレーしていましたが、前半は中々ボールが回ってこない。右サイドではメッシらが楽しそうにボールを回していたので、アンリも自分とは逆の右サイドまで行きボールを触りに行きました。その甲斐あってか否かは分かりませんが、前半得点を記録します。ハーフタイムをリードで迎え、満足しながらロッカールームに戻ります。ところがペップはアンリに交代を命じました。当然困惑しますが、理由もきちんと説明されます。理由はペップのプランを尊重せず、与えられた役割を放棄したからでした。
このエピソードを聞いて思うことは様々あると思います。自分がすごいと思ったのはペップです。アンリはこの時すでに世界的な大スターであり、アンタッチャブルな存在と言っても差し支えありませんでした。そのうえこの試合では得点という結果も残している。それでもペップは彼のしていることは良くないとハッキリ示した。これは並大抵の人間に出来ることではないと思います。あのアンリが、結果も残している、普通ならそこで怖気づくところですが、サッカーを深く理解しているペップは結果オーライを許さなかった。サッカーは不確定要素だらけのスポーツですから、「たまたま」上手くいくことはたくさんあります。しかしたった一度きりの間違った成功を許してしまえば、それと引き換えに、割に合わない代償を支払わされるでしょう。途中式が間違っていても答えが合っているからOK、なんて言う先生は一人もいません。サッカーの舞台でそれをやるのは少々難しいかもしれない。それでもペップは自分の責任を果たしました。これは本当に尊敬しなければいけないことだと思います。
これだけ聞くとあたかもペップが選手に自由を許さないガチガチの権威主義者かのように思われますが、そんなことはありません。アンリは先ほどのエピソードにこうも付け加えています。
「彼が初めてチームの指揮を執ったとき、よく私たちにこう言っていました。『私の仕事は君たちをアタッキングサードまで運ぶことだ。そこから先、仕事を完結させる(ゴールを決める)のは君たちの役目だ』と」
ペップは権威主義者ではなく、むしろ誰よりも自由主義者だからこそ、余計なノイズを取り除くために規律を敷いているのだと私は思います。
ここまで色々と話してきましたが、要は本当にチームのことを想っているなら、なあなあの妥協をしてはいけないと学んだ、ということです。当然俺に絶対逆らうな、言うことを聞け!なんて言うつもりはありません。私もペップを見習わなければならないと思っています。今後ともよろしくお願いします。

