有澤 勇(3年/FW/ラ・サール高校)
長いようで短かった大学の春休みが終わり、北海道にも春が訪れた。南国育ちの私にとって北海道の冬はあまりに長く、つらいものであったが(寒さは承知の上で北海道へ来たが、きついものはきつい)、これからはキャッサバ畑に囲まれたグラウンドを駆け回っていた私の季節だ。気づけば大学サッカー生活の折り返し地点を越えた今、今シーズンの展望を語ろうと思う。
今シーズンの1つ目の目標はジャン(じゃんけんの敗者が一品奢ることになる、北大サッカー部で受け継がれている忌々しき悪習。通常のじゃんけんとは異なったルールであるため、環境の手があったり、試行が独立でないため出し手の技術が試される)で負けてもブチギレないことだ。そのためには、精神的余裕と金銭的余裕が必要である。特に後者については継続的にアルバイトをして、ブチギレのリスクを減らしていきたい。
2つ目の目標はIリーグに継続的に出場することだ。この目標を達成するために、まずは昨シーズンの足跡を振り返る。昨年2月の第1回旧帝戦で得た感触と悔しさを糧に、有意義な冬を過ごしたため、4月最初のグラウンド練習は好調だった。副キャプテンからは縦割りでの筋トレ中に「◎$♪×△¥●&?#$!」(訳は、「今シーズン(トップ出場)マジであるぞ!」)と言ってもらい、また別の日には主将から「なぜ有澤がトップじゃないのか俺にはわからない」と嬉しい声をかけてもらった。しかし、順調な状況は長続きせず、シーズン前に足の指を痛めて練習試合に出場できず、アピールの場と好調の勢いを失ってしまった。復帰後、FWの層は厚く試合には絡めず、唯一公式戦での出場機会を得たIリーグ旭教戦では、少ない出場時間のなかで絶対ゴールを決めてやると息巻いて挑んだが、シュートはブロックされ、強みのヘディングですらあまり競り勝てず、その試合でアピールに成功し、その後の出場機会を増やした選手もいるなか、浮上するキッカケをふいにしてまった。悔しさや苦しみを全てぶつけるように、チームのトレーナーの方と考えたトレーニングメニューを週5,6で実施し、体のキレもプレーもどんどん鋭さは増していったが、再起を図った新人戦はピッチの外からチームメイトを応援することになった。冬期間の屋内練習では、膝を痛めたり、旧帝戦の1週間前までも足の指を痛め、調整もままならず大阪に向かった。ついてねー。そんな心持ちの中迎えた第2回旧帝戦では、出場機会が見込めそうで、はるばる大阪まで来たのだから、色々チャレンジしてみようと思った。チームのために積極的に競り合ったり、走ったり、前線で時間を作ったりすることに努めようと決心した。闘争心はありながらも、不思議と頭は冷静だった。すると迎えた1戦目の九大B戦で、自分で展開したボールをゴール前で受け直しそのままゴール。その日は、チームメイトのみならず、大阪遠征で泊めてくれていた祖父母や、いつも遠く離れて応援してくれている家族とゴールの喜びを分かち合った。自分の感情のままにいるより、チームや周りのために冷静に動いた方が、同じ数転がっているチャンスでもつかめるようになるのかもしれない。そんな人生の教訓めいたことを、このゴールは教えてくれたかもしれない。この遠征で手ごたえをつかむことはできたが、目標を達成するためにはまだまだ課題は山積みだ。今一度自分の特徴と弱点を見直して向き合っていく必要がある。
北海道の桜のつぼみはまだ開かないが、私の故郷の1つであるタイでは鮮やかなゴールデンシャワーが満開だろう。桜の満開はまだかもしれない。それでも自分にしか出せない色で、ストライカーとして今年こそ花開きたい。

