吉田光希(4年/FW/奈良女子大附属)
僕の人生は失敗しかしてこなかった。
サッカーは中高を通して上手くいっていなかった。それはオンザピッチでもオフザピッチでも。結局、コロナで突然の引退を迫られた僕たちの代は空中分解してしまった。今でも同期の大半と定期的に遊びに行く関係性を築けたのは幸いだった。
勉強の方は中学受験では軒並み落ちて、全く行く予定をしていなかった国立の中高一貫に通うことになった。大学受験においても第一志望校に落ち、後期で北海道大学に拾ってもらった。北海道大学には元々縁があった事と浪人する勇気が持てず、そのまま通うことにした。
この他の失敗を挙げていったらキリがなく、成功？したことは家族や友人に恵まれたことと、学生時代を通して楽しい思い出を作ることができたことくらいだ。
あらゆる失敗をし続けてきた僕だが、これらの失敗を全て肯定的に捉えられていると思う。
中学受験では志望校に軒並み落ちたが、中高6年間のびのびと過ごす事ができた。
サッカーの方もそこで仲間もできたし、そこでの失敗や苦悩を今のサッカー人生に昇華することができているつもりだ。また、もし中高のサッカー部で成功体験を得られていたなら、今こうして大学サッカーはやっていなかったのかもしれない。
大学受験では確かに失敗したが、札幌という街は僕の性格的にあっていたのと、北大サッカー部は同期をはじめ、みんな性格が良く、また魅力的な人たちばかりだった。
同期とは一生付き合う事になるのだろう。
サッカーの実力も中高の時よりもはるかに高いレベルにあったし、今まで関わった事がないような経歴を持つ人が何人もいた。
また、サッカー部において、尊敬の対象はサッカーの上手さだと思っていた僕の価値観を変えてくれたのと同時に、サッカー部で学年関係なく人間的に尊敬できる人たちが何人もいた。そんな人たちと出会う事ができた北大サッカー部という環境にとても感謝している。
過去は変えられる。
今現在成功すれば過去の失敗も全て自分に必要なものだったと捉えられる、と僕は考えている。そして、今また人生の岐路に立たされている。
ガチでやるサッカーは今年で終わり。
中学から始めて、約10年間の答え合わせだ。失敗しかしてこなかった僕の人生において、はじめて成功と言える体験を得られる機会が今ある。
入部当初は練習試合すら禄に出られず、Cチームのベンチ外10人くらいで屋内運動場でボールを蹴っていた。昨シーズンは夏休みまで怪我が続き調子が上がらなかったが、シーズン終盤ではBチームの主力として、またトップチームの入れ替え戦に出場する事もできた（何もできなかったが）。昨年の前線4枚が一個上の代で構成されていた事もあり、今年は学生リーグの試合に多く絡んで行くつもりだ。あの時もっと努力しておけばよかった、なんて言わないよう全力で挑戦して自分の中で成功、と言えるサッカー人生にする。
最後に、昨年はチャレンジリーグで入れ替え戦を経験したが、今年は新たな景色を見たい。必ずチャンピオンリーグに出られるよう日々の練習から自主トレまで励んでいく。
5月18日に学生リーグが開幕する。相手は学園。ここで負けたらチャンピオンリーグはだいぶ厳しくなるだろう。
必ず勝つ。
＃30 吉田光希