下田和舞(3年/GK/札幌光星)
皆さん、こんにちは。
北海道大学体育会サッカー部3年の(大人枠兼夏休みのジャンで1日5敗(確か)を記録した夏の覇者こと)下田和舞です。
出身は札幌光星高校で、ポジションはゴールキーパーです。
今シーズンも首脳陣の一人として、主に練習試合のマッチメイクなどの業務を通してチーム運営に携わっております。岩満さん、俺の隣で練習試合の文句を言うのやめてください。あれ組んでるの俺です。道明さん、首脳LINEにもう少し登場してきてほしいです。
最近は如何に一日の出費を300円以下に抑えるかという要件を満たすことに拘っています。もっとも、お弁当の持参が出費に該当するか否かについては学説上の争いがありそうです。
去年折れた前歯は立派な差し歯として今も健在ですが、未だに怖くてマウスピースが手放せません。
ここでお知らせですが、現在「下田隊」の結成を検討中です。入隊内定者は松井航太(妹の英作文の添削をしてくれたから)、入隊義務者は中原流星(法学部だから)、入隊候補者は中井松(もちろん札幌光星だから)、土居竜大(通称:ドイリュウ、旭川実業だから)、入隊権利者は全員、OB枠としてコバショーです。入隊するとイイコトが待っています。入隊お待ちしております。
さて、今回のブログでは、前回の決意から一年が経過した今の自分の本音を書いていこうと思います。開幕まで一週間、やはり責任重大です。最後まで読んでいただけますと幸いです。
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去年の春、不甲斐ない自分を認め、驕りを捨てて這い上がると誓った。
しかし、覚悟を決めたからといって、いきなり漫画のような逆転劇が始まるわけもない。現実はどこまでも淡々としていて、容赦なかった。
昨シーズン当初、自分の居場所はIリーグだった。悔しさを押し殺し、泥にまみれながら、とにかく必死になって目の前のボールに食らいついた。その甲斐あってか、Iリーグでは出場した3試合を無失点に抑えることができ、夏頃には学生リーグでの出場機会を得られるようになった。
なにをやっても上手くいきそうな感覚。今思えば、この時期は所謂「ゾーン」に入っていたのだと思う。ようやく、本当にここからだと思った。
しかし、その矢先だった。
学生リーグ後期第1節、札大戦。
1-0で勝っている中で迎えた前半終了間際。高まる緊張感。裏に抜けたボールに飛び出したとき。
ギリギリのタイミングで飛び出したこともあり、相手選手と交錯。下半身全て、特に足の甲に激痛が走った。
やはり札大の山口は足が速すぎる。
痛みを誤魔化しながら試合は続行したものの、結局その後3失点を喫し敗戦。
積み上げてきたはずのものが、一瞬で崩れ落ちていった。
またしても、掴みかけたチャンスが零れ落ちてしまった。
自らに鞭打ってリハビリを続け、なんとか間に合わせた新人戦も、キャプテンマークを巻かせてもらったにもかかわらず、個人的には惨憺たる結果だった。
チームを救うどころか、自分のプレーすらままならない。笛が鳴り、準決勝が終わった後の、あの澱んだ空気。絶望に近い無力感。ただ単に自分の不甲斐なさだけが冷たく胸の奥に居座ったまま、シーズンは静かに幕を閉じた。
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北海道の冬は長い。
大学2年の冬は、いやでも自分の将来について考えざるを得ない。
自分も例外ではなく、自分の現在地と将来について何度も見直した。
就職、院進、留学、休学。道外、道内、海外。人の数だけ答えがある。
司法試験を目指すことを決意した。
突拍子もなく志したわけではなく、実は北大へ入学した春も、2年に進級するときも、この目標は何度も自分の前に示されていた。
しかし、そのたびに自ら蓋をしてきた。サッカー部との両立に不安を感じ、「どうせ自分には無理だ」ともっともらしい理由を述べては、挑戦することなく初めから諦めていた。膨大な勉強量とサッカー部での今後というプレッシャーを前に、当たって砕けることすら恐れ、土俵に上がる前から逃げ出していた自分に対し、「本当にそれでいいのか?」と幾度となく問い詰めた。
将来を真剣に考えるにあたって、自分に嘘をつきたくはなかった。やると決めた以上、全力でやるだけである。
やるか、やるか。
どこかの先輩が言っていた気がするが、実際その通りなのだ。
司法試験ないしロー入試は今の自分にとっては若干キャパオーバーである。自分を知っている人ならわかると思うが、その前にやることあるでしょ、という声も散在する(すなわち、大学の成績のことである)。自分でも、今の生活は少し狂っていると思う。
頭がパンパンで、基本書や百選の文字が別言語に見えるとき。
目がショボショボして判例六法の上やベッドで泥のように眠るとき。
肘の痛みが、シュートを受けたからなのか筆記のし過ぎだからなのかわからないとき。
ふとした瞬間、途方もない不安に押し潰されそうになる。
医学科という過酷な環境に身を置きながら、平然と(?)サッカーを両立させている湯澤の細い身体が、今はとてつもなく大きく見える(様々な感情を抱えているのは重々承知である)。
自分もここから、頑張らなければ。
ではなぜ、これほどまでにシビアな選択をしたのか。
それは無論、お金持ちになりたいからである。
というhumorは置いといて、ブログ的に言えば「言い訳」をしたくないからである。
浪人していたから、調子が戻っていないから、怪我明けだから。
これまでの2年間は、常に言い訳とともにあった。
このままいけば、勉強が忙しいから、サッカーで疲れているから、などと言い、どちらも中途半端になるのは目に見えている。
そんなダサい逃げ道は絶対に作りたくない。もっと言えば、そんな人間にはなりたくないし、もう2度と挑戦する前に諦めたくはない。
覚悟をもって退路を断ち、極限まで自分を追い込むことでしか、あの日自分を支配した無力感や不甲斐なさを乗り越えることはできないと思ったのだ。
だからこそ、これほどまでにシビアな選択をしたのである。
言い訳という抗弁を捨て去ると、残されているのは結果だけ、ということになる。
どんなに判例を読み込んでも、どんなに規則の鬼としてチーム運営に奔走しても(畦地…)、サッカー部において最後に自分の存在価値を証明するのは、あの大きなゴールマウスを守り抜けるかどうかでしかない。
北大のゴールを守り抜くことで、自分がここにいる意味を証明したい。
大学生活もいよいよ折り返し3年目。もうブランクのある選手でも怪我明けの選手でもなくなった。いろいろな意味で、今年は自分にとって勝負の年になる。だからこそ、誰よりもサッカーに飢え、自分自身に対して厳しくありたい。
思い描いていたスマートな大学生活も、華麗なサクセスストーリーもここにはない。
ただ、既に起案された理想の生活に二重線を引っ張って、泥まみれで、不格好で、キャパオーバーで、そんなド根性で超次元な物語を書き足していくのみである。
そんな将来はきっと、異議なく認容されるだろう。

