益田紘洋(4年/FW/尚絅学院高校)
前回のブログで書いた内藤哲也さんの決め台詞、「トランキーロ」が思いのほか部の中で流行らなかったので少し頭を抱えている。バズを生み出すのって難しいですね。(人のものだが)
バズで言うと、最近の日本のアイドルはすごい。サッカー部でも例外ではなく、数多のアイドルソングを移動中や練習後などに耳が痛くなるほど聞かされて。勿論良い曲がたくさんあるのは知っているが、似たような曲が流れるので「またこれか」なんて思って聞くのを辞めたり。そんな中でも=LOVEの曲「この空がトリガー」には印象的な歌詞があった。
青い空が綺麗だった日
あの日を忘れてない
目に映るもの全て
これは君を想い作った
私だけの青春
あの空がトリガーだったよ
空と記憶が結びつく。
そして空があの日の記憶を呼び起こす。
こうした経験は多々ある。
最近はすっかりダウンジャケットが必要な季節になった。この時期は先輩達が引退して寂しさを感じつつも、年末年始のオフを心待ちに練習に参加していた道中などを思い出す。
大学4年最後のシーズンで、その結びつきを大きく更新した気がする。
夏の暑さ、雲ひとつない快晴。
去年まで思い出すのは、グラウンドで水撒きをやらされてる姿だっただろうか。怪我で練習に参加出来なくてもグラウンドに来て練習のサポートをして。なぜか怪我人の俺が1番日焼けしていた。意味がわからないよね。
今年の夏は違う。メンバー外だった時のグラウンド練習。各々思うことはあったが、お互いを鼓舞して作り上げた練習。地面は悪く、ボールは繋がらない。むせ返るような熱気と、地面から立ち昇る土埃の中で、今に見てろと練習に取り組んだ。そう、去年までとはまるで違う。
10月中旬 北海道では秋空が広がり、雪虫が冬の足音を感じさせる。
1年前の引退試合。
俺はピッチ脇で応援していた。あの日は機械知の先輩であるよっしーさんと神山さんが活躍して勝利を収めた。自分は1年後どうなってるのかなって考えたが、怪我ばかりの自分には明日のことさえ想像できなかったのですぐ辞めた。
そして今年。
自分はメンバー入りし、最後の試合には途中出場した。肌寒い中でもピッチ内に漂う熱気。この試合が最後の試合だと思うと、緊張とやる気が入り混じり、変な感覚だった。結果は負けたし、これといった見せ場も作れなかった。試合後は勝手に涙が流れてきた。悔し涙というより過去の記憶や感情が押し寄せてきたことによる涙。初めてだった。
思い返すと、この3年間悩む時間が多かった。その甲斐あってか自分の感情の動きや気分の浮き沈みなどに敏感になった。人の気持ちにも前より気付けるようになった気がする。そんな今の俺からあの日の俺へ感謝を伝えたい。
めっちゃ深い繋がりの友人なども居ない中、ひとりで部活見学に行った日の俺へ
膝の靭帯を断裂しながらも入部することを決めた日の俺へ
怪我で練習に参加出来ず、グラウンド脇でひとりボール拾いをしていた日の俺へ
ようやく調子が上がって来た矢先怪我をして、誰とも顔を合わせたくなくて朝練帰りにひとりで帰っていたら涙が出てきた日の俺へ
勇気ある一歩を踏み出してくれて、そして部活を辞めずに続けてくれてありがとう。あの日の選択や悩んだ時間、覚悟が、今こうして自分を成長させてくれたと思う。入部時に思い描いていた自分とは全然違うかもしれないけど、そんなもんよね。
力丸も言ってたけど、途中入部で入った時にはもう既に同期の関係は本当に完成されてるように見えた。自分はダサいことが嫌いで、自分の負の感情を口に出すことが苦手だった。途中入部した時には怪我をしてて、正直めっちゃ辛かったけど気丈に振る舞ったりね。ただ全員もれなくいい奴で、お互いに不満や悩みを話している姿を見て、自分も悩みを口に出したら真剣に聞いてくれて。怪我をして練習にも参加してない奴でも仲間として思ってくれてるんだなって本当に嬉しかった。完成されてると思ってたけど、日に日にみんなの繋がりは増していった気がする。一緒に居て1番楽しい奴らが1番尊敬出来る奴らだなんて幸せな話です。一緒にサッカーができて幸せでした。これからもよろしく。
最後になりますが、先輩方や後輩のみんな、髙橋さん、岡田さんをはじめとするOBの方々、本当にありがとうございました。いつも一緒に戦っていて、とても心強かったです。これからも北大サッカー部の躍進を願って盛り上げていきましょう!
引退してから皆さんと会えなくなってしまうのは悲しいので、ご飯行ったりただのじゃんでもやりましょう。
集合は条ファミでいいですか?
合言葉はファミリーで。
#77 益田紘洋
