井内康大朗(4年/DF/明和高校)
少し前回のブログの続きを
2025.8.15(金)
最後の通院だった。
再発を経て1年3ヶ月続いた通院も意外とあっさり終わった。お守りのような存在だった診察とリハビリを失うのは少し怖かったが、引退までの2ヶ月半は再発の不安が少し和らいでいたと思う。
2025.10.25(土)
大学サッカー最後の試合が終わった。
試合中のプレーに関してはノーコメントで。入部時の理想とは程遠い終わり方だったが、約7年振りに母親が観に来てくれたこともあり、4年間で1番良い試合になったと思う。
結局今シーズンも低調なプレーに終わり、精神的にも身体的にも怪我の影響力を感じた。
2025.10.26(日)
いつものようにレンタカーを借りに行き、芦別まで応援へ。怪我をしたシーズンに運転手兼ビデオ係として多くの試合に帯同した経験が活きる。試合内容はあまり覚えていない。今年も何試合かベンチ入りをしたが、学生リーグというものはすっかり縁のないものになってしまった。
選んだ道は正解になったと思う。模範解答ではないかもしれない。綺麗な別解があるかもしれない。ただ、最後まで1人の部員として、怪我や不調に苦しんだ同期と共に最後のピッチに立って戦うことができた。
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引退してから約4週間、サッカーとは無縁の生活を送っている。札幌とは気候も風景も違う街を散歩してみるのも楽しい。のどかな河川敷のベンチでぼーっとしてみる。
気づいたらあと半年も残っていない。宿題は順調に消化できているのだろうか。夏休み最終日に宿題に追われるのは嫌だ。入学当初は色々やりたいことがあったと記憶している。北海道らしいこと、大学生らしいことをたくさんしたいな〜なんて思っていたのだろうか。
入学式の前に一度だけ基礎クラスという名ばかりのクラスで集められた。いつものように五十音順で自己紹介をすることになった。順番が早い自分は無難に、高校までサッカーやってました的なことを言った。その後同じクラスの純一を誘ってとりあえずサッカー部の体験に行った。他のスポーツを始めるのは違うと思ったし、サークルの新歓には行かなかった。正確には行けなかったのかもしれないが。とにかく、何か安心感を求めてサッカー部の体験に行った。
入部当初の目標はよく覚えていない。とりあえず勘を取り戻すみたいなことを考えていたはずだ。そんなことより、朝4時半から自転車を漕ぐ生活や、土日に北翔大に練習試合に行って1日が終わってしまう生活、先輩と遭遇したらご飯を奢ってもらえる生活がただ楽しかった。
2年生のシーズンで学生リーグに出場するようになると、より高い目標を考えていたと思う。もちろん、3年生のシーズンが始まる前にその考えは意味のないものになったけど。その後は下方修正を重ね、とりあえず最後の試合まで頑張ってみようという悲しい目標を考えるようになった。当時はそれが限界だったのかもしれない。
4年間を振り返ると、学年が上がるにつれて中身が薄くなる。面白くないなぁとか思っていると、近くを通る柴犬と目が合う。柴犬っていつも笑っているような気がする。柴犬とのんびり散歩することが将来の目標になった。
なかなかブログの内容が決まらない。隣のベンチで本を読んでいたお爺さんも気付いたらいなくなっている。日も暮れたし帰ることにした。
帰りはスーパーで夜ご飯の材料を買う。普段使わない野菜を買ってみたり。1日予定が無い日も久しぶりなので、生活リズムが崩れそうになる。昨日の夜ご飯の残りを食べてから、スギ薬局に水を汲みに行く。土日は旅行に行った。きっちり計画を立てすぎないようにした。敢えて歩いてみたり、お店は現地で調べてみたり。意外となんとかなるものです。
少し前までは考えられないくらいのんびり生活している。
今日は喫茶店に入ってみる。引退前は何も用事がないのに喫茶店に入ることはなかった。アイスティー以外でおすすめがあったら教えてください。コーヒーは苦手です。
YouTubeでうじとうえだの新しい動画を見ながらぼーっとしてみる。
先月末で大学サッカーが終わり、17年ほど続けてきたサッカーそのものも終わった。自分がサッカーを続けてきた理由は何だろうか。派手なプレーは好まない。分かる人には分かるくらいの気の利いたプレーを続けることが好きだった。不確定要素の多さ、意図しないミスの多さも好きだ。部活の雰囲気や人との距離感も好きだ。綺麗事ばかりではないこと、現実は思ったより厳しいこともこの4年間で再確認できた。
なにより幼稚園から今まで、サッカーを通じて様々な繋がりができた。各チームでお世話になった人たちのお陰で、ここまで続けることができた。
北大サッカー部では、怪我をして元には戻れなくても、AとBに分けられても、同期が全員揃わなくても、また一緒に練習前にくだらない話をして、練習後にはご飯を食べに行きたいと思える同期に恵まれた。
この環境そのものに、そして支えてくれた人々に本当に感謝しています。
次にこの日記を書くときはいつになるのか。大人になってみんなと会うときに見返そうと思います。
長居するのも暇なので、今日ものんびり河川敷に行ってみよう。何か新しい発見があるかもしれない。そろそろみんなに会いたくなってきたので、札幌に帰ろうかな。
#3 井内康大朗
