苦悩

西方詩竜(4年/FW/湘南高校)

かつて年目代表から主将にならなかった人はいるのだろうか。

昨年の10月、自分はすごい悩んでいた。たぶさんたちの代が引退し、次期主将は誰が務めるのかという問題についてだ。いや、そもそもこの問題について考えるのなんて年目代表になってから幾度も繰り返している。試合でミスをする度、考えていたぐらいだったらまだ良かった。そもそも試合にすら出れない…。そんな自分が本当にふさわしいのだろうか、と何度も考えては不安な思いを追い出いした。

そして昨年最後のIリーグの試合でベンチ外だった時、「辞めよう、こんな自分が主将になって良いはずはない」と思いを決して、自分の中で自分より周のほうが主将にふさわしい理由を適当に取り繕って周本人や同期に話した。

この選択が正しかったのかどうか、本当は自分自身が重圧や責任から逃げたかったでけではないのか。代替わり後もそんなことで悩んだりした。事実、主将になるのを辞めようと思った瞬間は肩の荷が降りたような気がした。

しかし、それも束の間副将としてやるべきことは山積みで色々なことを考え、チームとして実行する必要があった。今までコミュニティの代表や副代表を務めたことは何度かあるため、そこまで大変じゃないとは思わなくとも想像の範疇に収まる程度のことだと思っていた。が、実際は違った。結局今までの組織では、上に責任や最終的な決定をしてくれる「大人」がいたため代表とは言っても名ばかりのものだったのである。真に、組織を運営するとはかくも大変なものかと思い知った。これじゃあ周を面倒ごとに巻き込んだだけじゃないかとも思った。

更に、幸か不幸かメンバー選考も務めることになった。白石もブログで触れてたがこれもまた苦しい仕事だと思う。去年は外から同期と軽い気持ちでメンバー選考に対して愚痴を言うなんてこともあったけど(去年メンバー選考していた人達ごめんなさい)、やってみるとやはり大変である。今までもなんかしらのメンバー選考に関わってたことはあるけど、やはり自らも選考される立場ながら人のことを選考するのは簡単ではない。自分が今まで試合のメンバーどころか、出場時間15分の差さえ疑問に思ったことがあるからこそわかる。全体LINEに送るメッセージ一つで多くの人がいろんな感情を抱く。そこに対する責任を忘れることはあってはならない立場である。

こうして書き出してみると非常に多くのこと背負う立場になったなと実感する。今までは自分にそんな資格、そんな能力はあるのかと考えることもあったがそんなことは間違いだとようやく最近気づいた。というか無意味であると。いくら考えても答えなんてわかるわけはないし、仮に神様が間違いだと教えてくれたらどうするのか。今更代わるわけにもいかないし、当時に戻って代わってもらったとしてもそのほうが上手くいく保証もない。じゃあ結局今の自分にできることは何だろうと考えると、全力で向き合って頑張ることだけである。過去に抱いた様々な感情はいったん忘れて自分を信頼してくれたみんなのためにも頑張る。もし自分が信じられなくても、自分を信頼して任してくれた同期や後輩のことを信じることはできる。

だからやる。やるしかない。

残された時間はあと半年もない。全力で走り切るだけだ。正解の道を選ぶのではなく選んだ道を正解にする。

そのために今日も自分は前を向く。

p.s.
同期のブログ最高でした
自分のブログなんかすごい暗くなっちゃったけど、締めは我らが主将に任せます
こば、提出おくれてごめん。

#9 西方詩竜

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