井内康大朗(4年/DF/明和高校)
去年の今日のことは鮮明に覚えている。
奇しくも同じ日にブログを書いている。
こば、ちょっと縁起悪いかも。
選んだ道を正解に
2024.5.4(土祝)
人生ではじめて自力で歩けないほどの痛みを左足に感じた。ギリギリ公道を走ることを許されたU先輩の車に乗せてもらい病院へ。医者からの第一声は今でも覚えている。”完全に折れてるね。手術が必要かもしれないから、GW終わったら大きめの病院に行ってみて。”
2024.5.7(火)
エレベーター付きの物件に住むべきだったか。
杖なしでは歩けないし、とにかく痛い。
タクシーを使わせてもらい病院へ。
第五中足骨骨折という怪我らしい。疲労骨折を通り過ぎて完全骨折。専門の先生の診察を金曜日に受けて、治療方針を決めるらしい。スポーツ復帰とかどうでもいいから、とにかく普通に歩けるようにしてもらいたかった。
2024.5.10(金)
症例が少ないから難しいけど、復帰するなら手術したほうがいいと言われた。その場で色々な検査をして入院が決まった。気持ちの整理がつかなかったが、母親が来てくれることになったので少し安心した。一人暮らしって大変ですね。
2024.5.15(水)
さすがに緊張してあまり寝られなかった。手術室に入ると明るいBGMと先生に迎えられた。少し会話をした後、起きたら病室のベットの上だった。
2024.5.17(金)
リハビリで歩いてみようと言われ、耳を疑った。しかし、2日前まで体重をかけることすらできなかった左足が少しは使えるようになっている。医療技術、病院関係者の方々には感謝してもしきれない。
2024.5.22(水)
退院日。同部屋のおじさんとも今日でお別れだ。ゆっくりなら松葉杖なしで歩ける状態になっていた。医療の力は偉大。家に帰ると部屋がとても綺麗になっていた。母親にも感謝。
幸いにも就職活動があったため暇を持て余すことはなかった。部活以外のコミュニティが大きく広がった期間だった。サッカーに関する記憶は全くないが。
9月末の試合から少し復帰した。左足でボールを触るときの違和感には慣れないし、軸足にすると痛む。再発する怖さもあって、楽しくはなかった。全力でプレーできないなら正直辞めてもいいと思ったが、とりあえず再発するまでは続けようと思った。
2024.12.7(土)
再骨折をして再び4ヶ月の離脱が決まった。復帰後3ヶ月も経っていない。いろいろなことを考えた。
部活の時間は残り10ヶ月。そのうち4ヶ月はリハビリ。怪我のリスクはみんな抱えてるけど、再発=4ヶ月の離脱はちょっと厳しい。学生生活は残り15ヶ月。
2025.4.4(金)
練習復帰。1年生からはどう思われているのか気になる。そういえばほとんどの2年生とも一緒にプレーしたことはない。長期離脱ってこういうことか。
力加減が分からずすごく下手に感じる。もともとこんなもんだったのかもしれないが。本格的な復帰は5月末くらいか。結局2シーズン連続で開幕戦をピッチ外で迎えることになった。
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最近、部活から離れる人が増えた。何も悪くないし、ふつうに応援している。人として、大学生として、そして同じ組織にいた人間として。
そもそも、人の選択に対して良い悪いを言える立場ではない。
ただ、北大サッカー部の井内康大朗は、そういう選択をする人、したいと考えている人が、中途半端な状態で部活に居続けるのが苦手だ。そういう話を聞くのは好きだし、面白い。ただ、もっとサッカーの話をしてほしい。「サッカーよりも、部活よりも」という言い方をされるとなんか悲しい。思いっきりボールを蹴ることができる彼らに対する嫉妬も少しは影響していると思う。
一方で、大学生の井内康大朗は、北大サッカー部で活動している人に対して、時間がもったいない、他のこともやればいいのにと感じるだろう。シーズン中は毎週のように試合があるし、朝4時半に起きる日もあるし。部内で新たな取り組みが増えたとはいえ、それは良くも悪くもサッカーに付随したものだ。
自分も怪我でプレーできないときはそう感じることもあった。インターンではいろんな大学の人、いろんなことをした人と何日間か朝から夜まで一緒に作業した。そもそも、プロを目指しているわけではないのになぜ大学サッカー部に入るのか。そんな疑問もある。
自分が怪我で満足にプレーできないという現状もあるが、離脱期間にサッカー以外の趣味とかやればいいじゃんと言われたときは、正直理解ができなかった。今の自分にとって趣味はサッカー。1番好きなことはサッカー。つまらないかもしれないが、そういう人間だ。
再発後の離脱期間でいろいろなことを考えた。
まず、大学生として。
自分の経験や得た知見がどこで役に立つのか、もしくは役に立たないのかなんて、分からない。広く浅い経験と狭く深い経験のどちらがいいんだろうか。ふとしたときに、”役に立ったのかも”と思うくらいでいい気がする。個人的には何かに夢中になって全力でぶつかった経験はいいよなぁと思う。だからこそ、迷ってる人は部活を離れて自分のしたいことをすればいい。留学でも研究でも趣味でも、なにか夢中になれるものがあるなら、それをやればいい。大学生ってそういうことじゃない?
そして、北大サッカー部員として。
怪我をして全力でサッカーができなくなり、復帰しても元の状態には戻らないと身をもって知ることになった。全力でサッカーできる人が羨ましい。正直、大学生のうちは旅行とか時間がかかることを楽しんだほうが有意義に感じるときもあるだろう。
ただ、ゴールを決めた瞬間、試合に勝った瞬間の感覚は他の活動からは得られない。
もちろんコスパはとても悪い。特にDFの自分にとっては。あと半年もないが、もう一度サッカー中心の日々へ。
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再発=4ヶ月の離脱。再発したら即引退。みんなには冗談みたいに言うときもあるが、ちゃんと考えてます。いつ再発するか分からないし、治療にはお金も時間もかかるし、もっと有意義な時間の使い方はあると思う。ただ、再発するまではとりあえず全力でプレーするという覚悟はできた。体力も強度も追いつかなくて面白くない。なにより周りに迷惑かけることもあるかもしれないが、ここまで来たらやるしかないよね。
#3 井内康大朗