中尾優太(2年/MF/札幌東高校)
今思えば膝の違和感は早い段階から感じてた。
2024年
3月6日北大合格
3月31日サッカー部に行き入部
5月18日学生リーグ開幕
学園・東海・北翔の3連戦で大学サッカーでもやれると自信がついた。
そして、札大・岩教の2連戦で大学サッカーにおける自分の目標が決まった。
しかし、受験による約8か月のブランクは決して軽いものではなかった。
実際、入部してから1か月半で学生リーグ開幕という過酷なスケジュールに身体が追い付いていないことは、痛みというサインにより感じていた。
2024年のチーム目標「チャンピオンリーグ出場」に貢献したくて、痛み止めを飲んで試合に出る、そんな日々が続いた。
後期学生リーグ学園戦の次の日、気づいたら膝に立てないくらいの痛みがあった。
少し悪い予感がした。
8月7日診察へ
医者から伝えられたのは半月板損傷。
手術が必要で、復帰までは早くても半年。
淡々とそう言われたが頭が追い付かなかった。
田淵さんたちの代で札大・岩教に勝つ、新人戦で全国に行く、選抜に選ばれる、などなど
2024年の自分の目標は全て消えた。
無事手術が終わり、退院してからは長いリハビリ生活が始まった。
驚くほど細くなった右足や、数か月経ってもなかなか腫れが引かない右膝を見て、
復帰しても以前のようなプレーはできないかもな、普段は決して抱かないマイナスな思考も生まれてきた。
しかし、札大・岩教相手に必死に食らいつき良い試合をしている仲間の姿を見たり、自分の過去のプレーをビデオで見たりすると不思議とマイナスな思考は消えた。
自分の戻る場所はこのピッチだ、今やってることは絶対間違ってない。そう思えた。
そして一個の目標を立てた。
「この怪我を自分にとってのプラスにする」
この目標はあまりに現実的ではないだとか、ただの理想でしかないと感じるかもしれない。
確かに半年後に怪我する前よりサッカーの技術が上達するなんてことはない。
ただし、フィジカルの部分や、行動力・メンタルなどプレー外の部分なら可能である。
そして、北大サッカー部全体の力を上げることも可能だと考えた。
将来の俺にとってこの怪我を
「もしあの怪我が無ければ、、」と失敗の言い訳にはしたくない。むしろ、
「あの怪我があったからこそ」と成功の理由にしたい。そう思った。
この目標を達成させるために多くの行動をした。
ジムに通い上半身の強化や、フィジカル的な弱点の克服に努めた。
栄養管理アプリを入れて、食事にこだわり始めた。
普段はあまり力を入れてなかった資格の勉強などにも取り組んだ。
また、筋トレ隊長として北大サッカー部全体の筋トレを組織化した。
自分や他の部員が同じような怪我を繰り返さないために、チームに帯同してくれるトレーナーが必要だと思い、先頭に立って部活と病院との契約を結んだ。
尊敬する先輩に刺激を受けながら、スポンサー活動や五大戦運営、首脳活動にも本気で関わってきた。
もちろん今でも怪我をしてよかったとまでは思えてない。ただ、少なくとも怪我をしたことで、多くの新しいことに挑戦できたし、今までで一番成長できた一年だったと自信をもって言える。
最近6〜7ヶ月のリハビリを経て、完全にではないが練習に復帰した。しかし、まだ強度を上げると膝に痛みや腫れが出ることもあり、医者から「再手術」と伝えられないか怯えながらプレーしている。サッカープレイヤーにとって膝にメスを入れることがいかに致命的であるかを実感した。
リーグ開幕まで残り1ヶ月半。
焦ってはいない。右膝と相談しながら、徐々に戻していく。
昨シーズンは大学サッカーでの手ごたえは感じつつも、札大・岩教ましてや全国レベルのボランチに比べるとやはり自分が物足りなく感じた。自分にはボランチとしての「上手さ」が足りない。
対人や運ぶドリブル、ゴール前の怖さなど
長所はある程度通じたが、まだまだ「上手さ」が足りない。
自分にとってボランチとしての「上手さ」っていうのは、
「周りが見えていて、シンプルで正確」であること。
この部分を徹底的に伸ばしていく。
個人的な目標は北海道でNo.1ボランチになること。
そのために超えないといけない壁はいるが、北大が本気で全国を狙うなら自分はそれくらいにならないといけないと思っている。
最近バイトなどのサッカー部以外の友達に、なんで大学でもそんなに部活に力入れてるの的な質問を受けることが多い。
確かに自分も、毎日のように飲んだり、好きな時にライブや旅行に行ったり、などなど
いわゆる‘大学生らしい’生活への憧れもある。
では、なぜ北大に入ってまでも本気でサッカーをやり続けているのか。
先程にも述べたように、基本的に学生のみで活動している北大サッカー部では、チーム運営やスポンサー活動などの様々な挑戦により、プレー外でも成長することができ、社会に出てからもここで得た経験は活きると確信している。
ただ、自分の”成長”だけを求めるなら、
留学や海外インターン、起業など
サッカーよりも明らかに規模がでかいことに、大学の貴重な4年間を投資した方が合理的だと思う。
結局どんなに考えても、この問いの答えは
幼稚園のときにサッカーを始めた理由と変わらず、
「サッカーが大好きだから」
ボールの芯をとらえた時の心地良い痛み。
ここしかない!というスルーパスが決まり、仲間がゴールを決めた瞬間。
自分のキーパーノーチャンスのシュートがゴールネットに突き刺さったときの爽快感。
そして何よりも絶対に勝てないといわれるような相手をジャイキリして倒した時に得れる、
言葉では言い表せないような高揚感。
結局俺はこうゆうサッカーの魅力に心から惹かれて、15年近くサッカーを続けているのだと思う。
北大サッカー部が札大・岩教に勝ち、何十年ぶりに全国に行く。
このことが決して簡単な目標でないことは北大が一番理解してると思う。
チームとしても、個人としても何段階も成長する必要がある。
でもだからこそ心の底から燃える。
必ず有言実行する。
この目標を達成し、
この怪我を「成功の理由」にする。
#33 中尾優太