下田和舞（1年/GK/札幌光星高校）
皆さん、こんにちは。
北海道大学体育会サッカー部１年の下田和舞です。
出身は札幌光星高校で、ポジションはゴールキーパーです。
まだ入学してから間もないですが、ブログを書かせてもらえる機会をいただきました。何を書こうか迷いましたが、今回は自分の過去を振り返り、大学サッカーへの意気込みへと繋げたいと思います。拙い文章になりますが最後まで読んでいただけると幸いです。
僕がサッカーを始めたのは５歳、年長さんの時でした。アニメ「イナズマイレブン」に熱中していた僕は、自分には少し大きめのサッカーボールと、円堂守のユニフォームを買ってもらい、屋内外問わずただ純粋にボールを蹴っていました。憧れの円堂守の特訓方法を真似して「大介のスゴ技特訓ノート」を自作し、タイヤ特訓をして手を真っ黒にしたり、家の和室で練習をして畳や障子をボロボロにしたりして、よく怒られていた記憶があります。
小学生の頃は、トレセンや全道大会、ましてや全国大会とは全く無縁の選手でした。ただシュートを止めるのが楽しくて、硬い土やコンクリートの上でも構わずゴールキーパーを務め、ダイビングセーブをしていました。この頃、僕は川島永嗣選手にも憧れており、彼の雄叫びを真似して、声を出すだけの練習も沢山していました。この時期までに、サッカーの楽しさを存分に学びました。
中学生になり、新たな環境でサッカーを始めました。１年生の時からトップチームで時々出場させてもらいましたが、北海道カブスリーグの相手に全く歯が立たず、１試合で１８点取られたこともありました。３年生になるとキャプテンを務めましたが、大きな怪我をしてしまい、最後のクラブユースに出場することは叶いませんでした。その大会で僕のために１試合でも多く勝とうと、自分の横断幕まで作って戦ってくれたチームメイトの姿を見て、仲間の大切さを学びました。
高校生になると、周りのレベルが一段と上がったことで、自分のプレー１つ１つにかかる責任が増しました。先輩やスタッフの叱責に怯え、サッカーが怖くなりました。自分のミスで負けた試合の後は１週間ほど眠れなくなることもありました。ミスを恐れ、萎縮し、自分のプレーを見失い、サッカーをやめようか本気で迷った時期もありました。この時、初めての挫折を経験しました。
そんな僕を救ってくれたのは、どこまでも強気な同期の存在でした。３年に上がる前、同期だけのミーティングで多くの選手が「全国優勝」を目標に掲げました。あまりに遠すぎる目標に驚愕しましたが、真面目な顔で本気で発言する同期を見て、「無失点で全国1勝」を掲げた僕の弱気な発言を恥じ、同時にようやく覚悟を決めました。そんな同期のおかげで、勝つためのメンタルを学びました。
そして高校3年生の夏、5戦中4度の延長戦と1度のPK戦という激動の道大会を戦い抜き遂に全国大会出場を決めました。全国大会期間中はどのチームも本当に強そうに見えました。前日練習で、当時日大藤沢高校で現清水エスパルス所属の森重陽介選手（198㎝）を見かけ、そのデカさと迫力に圧倒されました。対照的に、選手名鑑にニヤけた顔で掲載されている自分自身（170㎝）の写真を見て、「弱そう」と思ったことを鮮明に覚えています。全国大会では富山第一高校（1-0〇）と宮城の聖和学園高校（2-3×）と対戦しました。欲を言えば２回戦に勝利して３回戦で前橋育英高校（この大会の優勝校）と戦ってみたかったですが。全国大会ではその圧倒的な実力差を痛感しましたが、僕たちはこの大会中、相手がどんなに強くても、どんなピンチでも諦めませんでした。
秋になり、いよいよ選手権大会が開幕しました。僕たちは順調に勝ち進み、厚別競技場での準決勝に立つ権利を得ました。小さいころからテレビで見ていた憧れの舞台です。心が躍りました。準決勝はPK戦で勝利し、自身２度目の全国大会へあと一歩のところへ駒を進めましたが、決勝戦は開始早々に失点してしまい、1-2で敗戦。僕の高校サッカーはここで終わりを告げました。あの試合、あのシュートを止めていれば、終了間際に僕が攻撃参加したシーンでゴールに蹴りこめていたら、などの後悔のタラレバは今でも尽きません。
部活動を引退すると受験勉強に突入しましたが、11月からの受験対策で当然間に合うはずもなく（一部例外を除く）、不合格。浪人することを決めました。１年間の宅浪（修行）期間は孤独で長く辛く、人生の底と呼ぶにふさわしいものでしたが、なんとか頑張りぬき、僕は今ここにいます。
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大学サッカーの目標は全部勝つことです。殊勝な目標なんて必要ありません。これまでの経験から、本気で準備してたくさん練習し、自分たちの勝利を疑わなければ、止められないシュートはないし勝てない相手はいないと確信しています。そしてこの先、どんな相手でもどんな状況でも諦めません。諦めなかったからこそコンサドーレU-18や富山第一に勝てたし、諦めない奴にこそ勝利の女神は微笑むと、円堂守と過去の自分が教えてくれるからです。
どんなに相手が強くても、自信をもって諦めず戦えば、必ず勝てる。自分自身と北大サッカー部の可能性を信じています。大好きなこのチームのために最後まで戦います！
#21 下田和舞