井内康大朗(3年/DF/明和高校)
「東区のドン」こと市本先輩、好きなおかずは何ですか?
いや、そういうのじゃなくて、、
あ、ごめん。聞く人まちがえた。
僕の最近の流行りはたくあんです。
噛んでも噛んでも味が染み出す感じ
まるでサッカーみたい(は?)
「この味がいいね」と君が言ったから
サッカーを始めたきっかけは覚えていない。
幼稚園の友達と、同じマンションの幼なじみと一緒にボールを追いかけていた記憶はある。
勝負としてのサッカーを認識したのは長野県のとあるチームに入ったとき。本気で勝負する仲間を見て、一緒にサッカーをしたいと思ったのだろう。そうでなれけば、あの独特なリズムの挨拶を大声で叫ぶことはなかったし、スライディングなんて絶対にしなかっただろう。リフティングワッペンは増えなかったけどね。
相手のクロスやシュートをブロックする快感を味わった井内少年は、少しずつサッカーにのめり込んでいったのだ。
犀川の河川敷で、初対面の仲間に名前を呼ばれながら対面パスをした日、その日をサッカー記念日としよう。
p.s. あのチームに入れてくれて、送迎等色々し
てくれたお父さん、ありがとう。あのチー
ムでの出来事も含めて、長野での生活は面
白かったし色々な人や価値観と触れ合えた
良い時間でした。
みーるマーマに行きたくなってきました。
「分け入っても分け入っても」
何故体育会サッカー部に入ったのですか?
ー”あの時の熱さ”を取り戻すためです。
いざ文章に起こすといささか、いや非常に気持ちが悪い。図書館で判例を読み漁る自分に聞いたら、「ダサい」の一言で一蹴されるだろう、
そんな自分が存在するかはまた別の話だが。
ともかく、”あの時の熱さ”という抽象的な理想を追い求めてわざわざ部活でサッカーをしているということらしい。正直チームとしても個人としても問題続きで、その理想が見つかる気配もきっかけもない。ここに書き記すことで、この先思い悩んだときの護符にしたい。
そもそも、”あの時の熱さ”を味わう資格はあるのか。もっと必死に、もっとがむしゃらにプレーしろよ。中学生の自分はそう言っている。山のように蓄積された感覚をもう一度味わうための時間はもう2年も残っていない。
p.s. “あの時の熱さ” (なんか似てるな、力丸。)
中学校に入学するとこんな噂が流れてきた
”サッカー部の顧問が変わるらしい、
なんかすごい人が来るらしいよ。”
その顧問の先生のことを今は勝手に恩師と
呼んでいる。中学校の部活を通して、失敗
を恐れて保守的になっていた12歳の少年
は、根性と諦めない気持ちを得て15歳の
少年になった。
鮮明な記憶として残っているのは得てして
良い記憶ばかりであるが、その記憶の中
に”熱さ”はいくらでも存在する。当時は気
付いていなかっただろうが、プレーも考え
方も明らかに変わった。試合中に味わう
不思議な感覚、所謂”ゾーン”なのか。そう
いえば大学生になってからはそんな感覚
味わってないなぁ。
「だいじょうぶ 急ぐ旅ではないのだし」
中学校での生活を経てすっかり部活の虜になった少年は、高校でも部活に入ると決めていた。
キーパーがいないらしい。他の人よりは背が高いし、まともな試合ができるくらいの技術は身に付くだろう。
中学校のときに知り合った友人と対戦した時、「え?キーパー?!勿体無い笑」と言われた。ドイツと違ってキーパーというポジションは人気がなかった。正直自分の選択を後悔した。肘は痛いし、グローブは臭いし、ゼロから練習するのはめんどくさいし。
ただ、キーパーをやってよかったこともある。
試合を後ろから見るのは楽しいし、戦術とか崩し方とかも考えるようになった。キーパーとしての最低限の技術を身につけて高校サッカーを終えた。最後の大会直前に怪我をして、呆気なく初戦敗退。結果としては最悪だったけど、コロナ期間を乗り越えて高校サッカー、高校生活を完走したことの満足感が大きかった。
大学生活への、1人暮らしへの期待からか、
“あの時の熱さ”に蓋をしていたのかもしれない。人生の夏休みというくらいだし、自由に溢れた時間があるだろう。
別に急いでないし、そもそも旅でもないし。
とりあえず受験頑張るかー
p.s. 受験には失敗したねー
後期試験で北の大地へ。共通テストの貯金
はどこへ行ったのか、最低点+3点。よく
耐えた。よく言う学歴コンプレックスなん
て口にできる成績でもなかったものの、受
験期のモチベーションにしていた◯◯大学
体育会サッカー部に入部できないショック
は大きかった。
作者あとがき
慣れない生活に疲れた少年は、慣れ親しんだサッカーをする機会を求めて、北大サッカー部の練習に参加した。どこへ行ってもサッカーが好きで本気でぶつかり合う人はいるんだよね。
しかし練習参加は続かなかった。正直北大サッカー部に興味はなかったし、大学には他に夢中になれることはいくらでもある。
そんなことを考えているうちに時間はどんどん過ぎていき、何か物足りなさを感じていた。想像していた大学生活とはかけ離れた現実に嫌気がさしていた。ただ、サッカーをしている時はそんなことは気にならなかった。理由などは深く考えずに、入部することを決めていた。
入部してから、というか入学してからもう2年が経った。あっという間だと感じるのは充実した時間を過ごしていたからなのか、それとも何もしていないことに対する焦りが原因なのか、まだ分からない。引退するときにはどう思っているのだろうか。大学サッカーを、大学生活を現在の感情や感覚で語るのは勿体無い。いま自分に必要なのは、大学サッカーを振り返ることではなく、中学生の頃のように必死に、がむしゃらにサッカーに取り組むことだ。仲間や組織に対して思うことはいくらでもある。しかしあと1年半、ひたすら自分にベクトルを向けないときっと後悔するだろうと感じている。
文章としてのまとまりが感じられなくなってきたのでこのあたりで止めておきます。
こばしょー、上手く編集しといてくれ。
#3 井内康大朗