道明紫音(2年/FW/北広島高校)
青春と聞くと高校が連想されるのはきっと自分だけではないと思う。言葉自体なんとなくくさい感じが個人的にしてしまいブログの書き出しに使うのは憚れたのだが、あんなに楽しく、濃かった3年間を表すにはこの言葉しか思いつかなかった。
サッカーよりも学力優先のスタンスだった中学時代の僕は、家から近く、国公立大学進学者もそこそこ多い北広島高校に入学した。
かといって北大進学者なんて学年の一握りだし、目指すなんて自分には縁のない話だった。
道内で有名ではない公立高校の部活だったが、一個上の代は歴代的に見ても比較的強い代で、なんと28年ぶり(たしか)に全道大会出場を果たした。さらに翌年、自分らの代で再度出場を果たすという、我々にとっては快挙を成し遂げられた。その年に自分はキャプテンを任されていたというのもあって、思い返せば高校生活の最高潮はあのときだったといっても言い過ぎではないと思う。
そんな二年半の高校サッカーも引退を迎え、受験に舵を切る。
もう青春はおしまい。
あとは志望校を定め、なんとか合格し、またフレッシュマンとして新生活を春に迎えるのだ。
そういい聞かせ、大学情報サイトとにらめっこする日々が数日続いた。
ただなかなか勉強は手につかず、気づけば現役時代のいろんな試合を見返しながら、一人余韻に浸っていた。青春ロスといつやつだ。
ある日、いつもの様に動画を見返していたら、うちの顧問との縁で北大サッカー部と練習試合をしたときの映像が残っていた。
高校三年に上がる前の冬。大学サッカーのレベルについていくのに必死だったのを覚えている。
そういえば、北海道学生リーグで1部に上がったとかなんだとか。
北大…
サッカー部のキャプテンが、あの一握りの北大進学者のなかにいたら、かっこいいにも程があるのではないか。
半分冗談だが、目標は高く持ってなんぼである。その日から北大志望者の一員となった。
それと同時に、大学サッカーというものに憧れを感じていた僕は、北大体育会系サッカー部のユニフォームに袖を通すのを夢に、死に物狂いで勉強した。
部活をびっちりやっていたことによる勉強面へのビハインドは大きく、全く成績がのびない時期もあって不安と焦りに駆られていた。
でも北大でサッカーをしている自分を想像したら何時間だって勉強できたし、諦めるなんて選択肢は無かった。
そんな努力が功を奏し、無事合格。僕にも春がやってきた。
部活側の諸事情で6月からの活動となったが、憧れの北大サッカー部の部員になれた。蓋を開けてみるとそこには自分の何倍もすごいキャリアを背負って全国からやってきた同級生、先輩が何人もいた。
大学サッカー1年目のシーズンはなかなか上手くいかずレベルの違いを思い知らされたが、トップチームでも使ってもらい、良くしてくれる仲間達と素晴らしい日々を送れた。
もうすぐ幕を開ける2年目のシーズン。サッカーを始めた小1の頃の背番号11を、いままた身につけられることに何らかの縁を感じながら、昨年より成長した姿でピッチに立ちたい。
青春はおしまい。
その通りだ。
今僕は青春なんかじゃなく、燃えるように熱い、言うなれば「炎春」の真っ只中だ。
2年経済学部 #11 道明紫音