打田長叶(2年/MF/都立富士高校)
今日もゆっくり寝れた。
春休みは平均して9時間は寝ている。大学生の特権である。
カーテンを開けると明るい日差しが入り込んでくる。青空だとなんかその日がうまくいく感じがして好きだ。
今日はオフで久々に何もすることのない1日が始まる。そうだ、土グラウンドの雪かきをしよう。1年ならではの雑務や準備もあと少しになったと思うと素直に嬉しい。
久々の土グラウンドと再会だ。去年は随分とお世話になった。雪かきをしながら去年のことを思い出すことにしてみる。
初めて会って話した同期がゆうきだったこと。
永田淳という存在に食堂で出会ったこと。
りょうやとこうたの区別がつかなかったこと。
走って朝練まで来てるやつがいたこと。
たくさんの記憶が蘇ってくる。
でもやはり自分にとって初めに思い出すことは悔しくもこの土グラウンドで怪我をしたこと。去年の自分のハイライトはこれしかない。
正直怪我をしていた時の生活は面白くなかったし思い出したくない。みんなの練習を外から見て、リハビリに通って、試合の当番校をやる。これが何ヶ月も続いた。
去年のブログでは見栄を張って、上辺のいい事を書いた気がするが、ただみんなから遅れをとっただけなのではないのか。
練習に復帰した時にはシーズンが終わりかけていた。最初は残すは新人戦だと意気込んでいた。
しかし現実は甘くない。
自分がヘタクソすぎてイライラする。周りに置いて行かれたと思い焦る。自分の特徴を見失う。
いつしか
ー怪我してたからしょうがないー
そう思うようになっていた。
朝練のゲームでメンバーに入らないのは当たり前だししょうがない。
試合のメンバーに入らないのも当たり前。
完全に自信をなくして消極的になっていた。
ドリブルで仕掛けることをやめてすぐにパス。
ボールを取られたりミスすることを恐れた。
結局たいした成長もないままシーズンの終わりを迎える。最後に温情か何かで新人戦の3位決定戦のメンバーに入れてもらえた。でもバカな自分は素直に嬉しかったし喜んだ。
自分の弱さが出ていた。
だって現実は公式戦の出場ゼロ。
でもー怪我してたからしょうがないー
これで片付けようと逃げていた。
そのまま中途半端なまま冬シーズンに入った。
毎練習何を意識して取り組んだだろうか。
この冬シーズンでどんな成長があったか。
自分に問いかけてみても答えが出ない。
ただ漠然としかわからない。
またやってしまった。
何か言い訳をつけて逃げている。
その言い訳がー怪我してたからしょうがないー
全ては自分の実力不足なのに。
怪我を言い訳にするのが癖付いていた。
無意識のうちに体が覚えてしまった。
怪我をしたって試合に絡んでる人はたくさんいる。
自分はいつまで言い訳して逃げていくのか。
そんな自分に火がついた瞬間があった。
つい最近の出来事だ。
やっと目が覚めたような感覚がした。
それは我らの年目代表からのことばだった。
“もっとやれるっしょ”
“もっとドリブルで仕掛けろよ”
“このままじゃ冬シーズン何も残らないぞ”
本人は絶対覚えてないが、自分にとっては忘れられないことばだった。
こんな自分にまだ期待してくれてる人がいた。
自分のことを見てくれている人がいた。
その日から
怪我のことを忘れようと誓った。
メンバーに入らないことが当たり前ではなく、悔しいと思うようになった。
もっとやらないといけない。
冬シーズンは、長いトンネルの中で自分を見つめ直す闘いのようだった。
ようやく光が見えた気がする。
ドリブルで仕掛けて仕掛けて自分の特徴を出しまくる。
そして
古臭いがサッカーノートを書き始めた。
今のこの気持ちを忘れないように。
課題を洗い出し向かい合うために。
もう言い訳して逃げ出さないように。
ここで最後にサッカーノートの表紙に書いた今シーズンの目標を書いておく。
『トップチームデビュー』

