虚勢とは言わせない

平良仁野(2年/FW/國學院久我山高校)

 札幌の道路の凸凹は全国でもトップレベルだが、もう慣れた。青信号のチカチカも異様に長いがもう慣れた。但し、夜の札幌では未だに方向感覚が掴めない。これはいつまで経っても慣れる気配がない。至難の業である。

慣れるって事は既にその環境に適応したって事で聞こえはいいが、我ら北大サッカー部においてこれは好ましくないことではないかと思う。マンネリは衰退を生む。

月曜のオフから始まり、火曜のグラウンド練、水金の朝練を経て土日の試合に望む。

脳死で過ごして何が得られるのであろうか。
近年、北大サッカー部は成績を伸ばしてきているが、果たして自分はその一員だと胸を張って言えるのか。一部の有能な人間の甘い汁を啜ってるただのパンピーになってはいないか。

そんな事は気にも留めずに今日もHokkaido University Football Club のウィンドブレーカーを着て我々は大学に通う。

正直、俺は北大サッカーは好きじゃない。

汚い。美しさの対極にある。

でも負けるのはもっと好きじゃないから、仕方なくこのチームスタイルでサッカーを続けてきた。

でも本当は知っている。リトルジンノが1番理解している。結局、俺は守備するのが嫌いなだけ。「美しさ」とかいう戯言に逃げてただけ。本当にサッカーが上手い奴は何でもできるし、どんなチームスタイルにも適応できる。

オカダさんは言う
「リアクションじゃなくてアクション」
デキナイ。ほんまに意味ワカラン。

ウチヤさんは叫ぶ
「◎$♪×△¥●&?#$!」
(多分go!go!と言っている)
ボーっとしていた俺は叩き起こされたかのようにリアクション。
そして猪の如くプレス。
もちろん剥がされる。

守備とはまことに難しい。

今年はそんなこんなを繰り返してきた。
でも少しずつ、着実に上達を感じている。

2月に戦った関西の強豪に強度で負けなかった。たかが数回。されど数回。相手をハメられるシーンを作る事はできた。成功体験は人に自信を与えてくれる。

なんだかんだ言ってるけれど今、俺はこのチームを誇りに思っている。個人、チームで見てもまだ課題は山ほどある事は分かっている。でも俺はこのチームで全国へ行きたい。

受け身では駄目だ。受動的じゃ駄目だ。能動的にならなきゃ全国は狙えない。

これが今考えている事。

去年の振り返りをしよう。

なかなかに濃い一年。誰も俺より点を取ってないし、誰も俺よりレッドカードをもらっていない。オンリーワンな結果。

誰よりも文句を言った一年。

「なんであいつが選ばれるんだ」

「なんでそこでミスすんだよ」

正の感情も負の感情も、沢山感じた一年。

大学にもなって必死にサッカーを続けている理由は人それぞれだと思うけど、俺の理由は間違いなく「自惚れ」。

こいつよりは上手いな、とか、これは誰にも真似できんなとかイキがってる瞬間は最高に悦だ。
そういう小さな気持ちよさの積み重ねが今の俺を形成していると思う。

だから俺にとって俺を選ばない奴はこの「気持ち良さ」を阻害してくる厄介者だ。

でも不思議なことにそういう奴らでも俺のプレーを褒めることがある。そして俺はガキなのでそれに嬉しくなってしまう。

「やっぱりこいつはわかっているな」と

俺基準でそいつの評価がアップする

でも次に自分がメンバーから外れれば

「やはり何もわかってないじゃんけ」と

そいつの評価は下がる

ちょっと俯瞰して見てみればまことにガキである。

そして理解する。結局のところ俺の悦を生み出しているのは俺ではない他人で、他人に評価されるために俺はサッカーをやってるんだと思う。

他人の評価が今の自分の居場所を作ってるんだと思う。つまり俺がサッカーを続ける理由の根底にあるのは「他人」ということだ。

サッカーを続ける理由は他にもある。

それは「熱」だ。

大臣杯準決勝、全国が見えた瞬間。フィールドは熱を帯びていた。俺はベンチにすら居ない傍観者だったが、あの瞬間は流石に震えた。

去年の最終節、「頑張れよ」ってその試合がラストだった晴将くんと交わした抱擁は忘れられない。胸がギュッっと締め付けられるような感覚。俺はその試合も応援席に居たけど苦しいほどの熱を感じた。

チームメイトが言う
「本気で全国目指してる」っていう言葉に胸が熱くなる。そういう仲間が居るっていう事に熱くなっているのか。

いつも熱は他の人が与えてくれる。
だから今度は俺が、

「熱の真ん中に居たい。」

これが今年の俺の目標。

最後に、

学部の関係で札幌に居られるのもあと1年。
「俺は来年以降も通うよ」

ボケてるように聞こえるかもしれないけれどこれはマジだ。

でも間違いなく今年は一つの区切りとなる。

思いの外、一年は短い。
それを今年はすごく感じた。
終わりが見えてるからこそ限られた時間だなって痛感する。

人間がある時点で感じる幸せの大きさは、これから先にある予定の数に比例するらしいが、これは本当だと思う。

新しいメンバーとの出会い、シーズン開幕、大臣杯、新人戦と山ほどイベントが待っている。

「来季は得点王かな」

「慕ってくれる後輩ができるといいな」

楽しみで仕方がない。

でもそれと同時に区切りも近づく。

RADWIMPSの「筆舌」

「ずっと」とか「絶対」とか「一生」とかないのはもうわかったから
せめてもう少しだけこのままで ねぇこのままでいさせて

この歌詞が最近、胸に響いて仕方がない。

今のままではいたくないけど、今のままでいたい。難しいものだ。

でもそんなこと関係なしに時間は進んでく。

結局やるしかない。

何をやるかって言語化はできない。

けど、やるしかない。

「やらない後悔より、やって大成功」

これをモットーにしていきたい。

最後の最後に、

結局、俺の原動力は「自惚れ」。

だから自信があればあるほどコンディションは良くなる。調子に乗れば乗るほどドリブルが上手くなるし決定力が上がる。

俺のことを沢山褒めてくれると嬉しい。

来季の結果は俺の自尊心に直結している。

俺は俺はと散々自分の話をしてきたけど、やっぱり今年はチームの勝ちに拘りたい。話が一転二転してしまい申し訳ない。でも、こんだけの自信と熱が虚勢にならないように。
気張っていこう!

#まだ打矢に甘えていたい

#淳はボランチやれ

#山田もフォワードやれ

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