武田椋介(4年/MF/旭川東高校)
昨シーズン僕は1分もプレーすることはできなかった。
毎週のようにレンタカーに乗っては当番校という業務の名のもと、ピッチのそばで試合を見ているだけ。
とてつもない疎外感を感じながら。
怪我をしたやつがいれば運んで、ボールが飛んでいけば拾いに行く。
そしてまた座って試合を見て、お馴染みの怪我仲間とああだこうだと論評する。
自分はその試合に出ることすらできないのに。
毎週その繰り返し。
当番校のメンバー発表では自分の名前がないことを期待する。
しかし当然のようにメンバー入り。
その都度、またかよと何度思っただろうか。
怪我人がチームに貢献するためには、当番校をすることぐらいしかないことはわかってはいるのだが、なぜか納得できなかった。
そう思うことがサッカーをできないことへの鬱憤のはけ口だったのかもしれない。
正直に言えば、試合の結果などどうでもよかった。
勝とうが負けようが、何点取ろうが何失点しようがどうでもよかった。
自分にはなんら影響はなかったから。
応援なんて言葉は微塵も頭にはなかったかもしれない。
そんな自分をなんて薄情な奴だと、なんて自分本位なんだと恨めしく思う。
それでも、昨シーズンはあっという間に過ぎ去った。
1月くらいから復帰して、2月は5大戦に出た。
1年というブランクは思っていた以上に長かったらしい。
足元はおぼつかないし、体は思ったように動かないし、マラソン気分だった。
もともとそんなに体力はないのにさらになくなってとんでもないことになっている。
気づけばもう5月中旬で、3日後には開幕戦。
あっという間にここまで来た。
現状には全く満足していない。
何かしなければならない。
そんな一抹の焦燥感に駆られるが、誰かが「焦るな!」と言ってる通り、焦らず、
またピッチに戻ってこれたことに感謝し、残りのサッカー人生を純粋に楽しみたい。
そして、共に切磋琢磨してきた仲間と共に熱いシーズンを過ごしたい。
勝とう。
Vamos Hokudai!
#13 武田椋介