桑田蒼生(2年/札幌手稲高校)
こんにちは。新2年の桑田蒼生です。
これから私のサッカー観についてお話ししようと思います。
私はクレなので、美しく勝つサッカーが好きです。私がサッカーを見始めたとき、バルセロナの監督はエルネスト・バルベルデでした。その頃の私は戦術的な観点ではサッカーを見ていませんでしたが、中盤ではラキティッチ、ブスケツ、アルトゥール、前線ではスアレス、メッシ、コウチーニョ、デンベレが活躍しており、リーグでシーズン90得点を記録するような攻撃的サッカーにとても憧れていました。
しかし、エルネスト・バルベルデが退任した後、私のサッカーの理想はだんだんと打ち砕かれていきました。ロナルド・クーマンが就任したことで、守備時には4-4-2のブロックを組んで格下相手にはよく守れていましたが、チーム力が同等になると守り切れない試合が続きました。攻撃面では初年度にメッシ、グリーズマンの活躍もあり得点できていましたが、2年目にはクーマンの戦術が対策され、さらにメッシの退団もあって、正直目も当てられませんでした。
私のサッカーの理想が打ち砕かれた最大の要因は、カタールワールドカップでした。ドイツ代表の監督はハンジ・フリック、スペイン代表の監督はルイス・エンリケで、どちらもクラブで素晴らしい内容の試合をして結果を出してきた監督だったため、ドイツ代表とスペイン代表が日本代表に勝つことを願っていました。しかし、結果は両国とも日本に敗れました。このとき、どれだけ良い内容のサッカーをしていても勝てないことがあるのだと理解しました。
ワールドカップ開幕から24-25シーズンが始まるまで、私の好きなチームであるバルセロナはシャビ・エルナンデスを監督に据えていました。リーグタイトルは獲得したものの、カップ戦では思うような成績を残しておらず、バルセロナの試合を見ることに飽きてきていました。
その一方で、中盤ではジョエリントンやギマランイス、前線ではハーランドやケインといったフィジカルに恵まれた選手たちが活躍し始め、「これからはフィジカルの時代なのかもしれない」とも感じていました。そんな中、ハンジ・フリックのバルセロナ監督就任が決まりました。正直、期待せずにはいられませんでした。なぜなら、かつてバイエルンを率いたフリックによって、バルセロナは「2-8」という歴史的大敗を喫しており、そのときのサッカーは衝撃的だったからです。
そして迎えた24-25シーズン。バルセロナの試合を見て、私はとても感動しました。相手コートでボールを保持しているときには、両サイドバックが高い位置を取っており、後方に残るのはクバルシとイニゴのみという非常に攻撃的なサッカーをしていました。それにもかかわらず、失点数は少なく、「理想のバルセロナが戻ってきた」と感じました。
さらに、中盤ではカサドやペドリ、ガビなど170cm前半のフィジカルに恵まれていない選手たちが活躍しており、技術と戦術で勝つ理想のサッカーが現実に可能であることを実感しました。
しかし、私のサッカー観にも変化が生じてきました。今シーズンのレアル・マドリードの試合を見ていると、相手にガン引きされたときに苦戦している印象がありました。その原因は、前線の選手たちが小柄で、クロスを上げても得点できない場面が多かったからです。対照的に、今シーズンの強いチームには、レヴァンドフスキやケイン、ラウタロ・マルティネスといったフィジカルに優れた選手がいて、クロスから得点を奪っています。そこから、フィジカルに秀でた選手の重要性を強く感じるようになりました。
以上のような私のサッカー観から、今年の目標は「クンデのように得点に絡める右サイドバックになること」です。そして、より現実的で達成しやすい目標として「昨年よりも視野を広くすること」も目標に掲げたいと思います。
#26 桑田蒼生