大谷一真(4年/DF/北須磨)
部員の前であまり話したことのない”本音”をこのブログに綴らせていただきます。引退スピーチ会に行けそうにないんで偽りなく少し熱いことを書こうかなと思います。
以下、常体で失礼します。
「まじで、深夜テンション気味で誘うけど
おまえサッカー部入る気ある?」
2022年3月15日0:10 鎌倉壮大郎
おそらく今と変わらない愛犬のアイコンである当時新2年目の鎌倉壮大郎からLineがきた。2年生になろうとしていた私のサッカー部生活はここから始まった。深夜テンションで誘うものでもないし、3年間の生活を大きく変える誘いにしては信じられないぐらい軽かった。だけど、このぐらい軽い誘い方じゃなかったら乗ってなかったなと今では思う、ありがとう。そして新歓にて山田さんに「お前ら入る気あんの?」と聞かれて、横にいた鎌倉が「入ります!」と言って、つられて「入ります、」と答えた。そこから数ヶ月は部活のある日々がしんどすぎてほとんど覚えていない。朝4時に起きる朝練、グランド練のラントレ、トップチームの試合中の怒号、自由に遊んでいた大学1年生からのギャップもあり、自分が4年生まで続けることはないだろうなと悟った。サッカーが好きでよく見に行くし、1年生の時もある程度サッカーをしていたので、覚悟なく入った部活に所属している意味を見出せなかった。大して思入れもない部活を続けるかどうかは、自分の辞める形が”退部”か”引退”かその程度の違いで、さして自分には興味がなかった。そのため、部活に慣れて自分のやりたいことを見つける余裕ができるとすぐに帰属意識が薄れ、部活の優先順位がどんどん下がっていくのを感じた。
2年の秋に退部を覚悟した。学科の勉強を真剣に取り組みたいという考えと部活がどうしても両立しないと感じ、いつか留学に行きたいと考えた時にどうしても部活の存在が邪魔になってしまうなと思っての結果だった。サッカーに対して区切りをつけることに少しためらいはあったが、ある日の練習に残っていた同期たちに打ち明けることにした。同期は自分の考えを理解した上で休部の選択肢を与えてくれた。
「辞めるのはダメ、別に引退まで来なくてもいいから残る選択肢を残しておいて欲しい」と言われた。なんて私に甘い同期なんだろう。入った当初は先輩から”お前の入った年目はつまらないよ”なんて酷い言葉を頻繁にかけられていた学年だが、私はこの年目じゃなかったら確実に辞めていたと思う。みんな本当にありがとう。この話をした時、自分は今まで部活をしていたのではなく、ただサッカーをしていたのだと痛感した。部活を辞めてもサッカーはできるが、このメンバーで一緒にすることはもうなくなる。このことをあまり意識できていなかった。結果的に、3週間という期間を決めて建築に集中し、その後もう一度部活に戻るという決断をした。2,3年時の先輩方にとってはフラフラして扱いづらい後輩だったと思います、すみません。そして3年目になって一度部活のない日々が訪れた。加えて、個人で留学にも行ったため、部活のしない時間が長かった。面白いもので、部活をするなと言われると、日常だっためんどくさい朝練や全然やりたくなかった土のグラウンド練を求めるようになった。結局無い物ねだりであった。部活がある時は自由な時間を求め、部活のない時間は部活を求めた。5年目の引退スピーチにて、部活のある日々を惜しむコメントが多かったこともあり、引退して部活がなくなった時、部活を求めないくらい打ち込んでみるのもありだなと思い、4年目に入った。特に変わったことをしたわけではないが、ただサッカーだけをしていた自分の意識が、”部活をする”に変わった。2,3年生の時、正直自分のプレーが上手く行った時の方が勝った瞬間よりも気持ち良かった。チームが負けることよりも、ドリブルを失敗する方が悔しかった。しかし4年目最後の試合、その感覚は全くなかった。チームが勝つことで何よりも喜びを感じれる日々に変わっていた。非常に時間がかかった。今まで楽しむことだけにあった部活の意義が、チームを勝たせるということに変わり、自然と鼓舞の声が出て、カウンター時は全速力で戻り、ゴール前で体を投げ出すことが当たり前になった。自分の大学サッカーを振り返ると、2,3年生の時の方がトップチームに絡む回数は多かった。数字だけに目をやると何とも右肩下がりの3年間である。這い上がるためにできたことは数え切れないほどあるし、後悔がないなんて言えないが、最後の記憶がチームの一員として戦えた数試合であったことが唯一の救いである。応援含め一緒に戦ってくれたみんな、ありがとう。めちゃくちゃ楽しかった。
過去、部活に入ったことを後悔し、部活の日々が嫌だった私は、今、この代に入れたこと、自分が関わることができたのが今の1〜6年目であったことに心の底から感謝して引退します。みんなに出会えて良かったです。
3年間を非常に良い様にまとめちゃいましたが、全て
本心です。読んでくれてありがとうごさいました。
「明日朝練ないから気をつけて」
2024年10月30日1:25 鎌倉壮大郎
やりきった。
#54 大谷一真