森大靖(1年/DF/鎌倉学園高校)
自分にとってサッカーのモチベーションは“大切な仲間を勝利に導くこと”以外の何物でもない。
高2の時、一個上の代の選手権が終わり、自分のたちの代になった時、これから先の不安からか数人から辞めたいと言われることも多々あり、死ぬ気で止めてはいたものの、サッカーを楽しめない日々が続いた。
そんな中でも、常に喜怒哀楽を共にしてきた仲間と一緒に勝ちたいという思いが変わることはなかった。
最弱の代と言われた自分たちが試合で勝つためには、確実に「チーム全員」が強くなる必要があり、そのためには、練習の強度を高めないといけない。でもそれはただやみくもに練習することとは絶対に違う。自分たちの課題を試合のビデオを振り返り、客観視することで見えてきた課題を「チーム全員」が共通認識をもって、次の試合に向けて本気で改善しようと思えるかどうかにかかっている。
そのためにコーチとずっと話して練習メニューを決めることもあったし、部活が終わったあと練習の姿勢をチームメイトで話し合うことも多々あった。
正直、強豪でもなく部員の数も限られている母校の良いところは自由でかつまとまりやすいところだったと思う。チームが勝つために、自分たちの実力が最大限発揮されるフォーメーションや戦術を0から考え、試合で試し、ミーティングで意見を言い合ったり、監督、コーチともラフに話すことができた。そんな環境を十分に利用して、「全員」が練習に意味を見出すことができたからこそ最終的には選手権一次予選でシード校を撃破し、決勝戦でPK戦の末負けてしまったものの、10年ぶりの二次予選にあと一歩という形で終わったことは悔しさが残る反面、自分のやり方に多少自信が持てた瞬間だった。
一種の成功体験と同時に重責の解放から、もう部活は十分、大学では他のことを楽しみ視野を広げようと思っていた。しかし、自分にとって「サッカー部」のない日々は何か心に穴が空いたような感覚で、高校までの充実感を感じることができなかった。楡陵祭でひろきくんに誘って頂き、サッカー部に入り、大臣杯での勝利を肌で感じ、自分も同じピッチに立って喜びを分かち合いたいと心の底から思った。
出遅れてサッカー部に入ったにもかかわらず、優しく迎え入れてくれた仲間たちに感謝し、選手主導の北大サッカー部だからこそ、自分の今までの全てを捧げて、これからを共にする大切な仲間たちを勝利に導く。自分にとってサッカーをする理由はこれ以外の何物でもない。
#44 森大靖