サッカーをしない選択

横山賢 (1年/GK/渋川高校)

こんにちは、1年GKの横山賢です。
もしこのブログを読んでいる高校の同期がいたらきっと、「お前結局サッカーするんかい」と思うと思います。そう思われるくらい高校の時の自分はサッカーを辞める気満々でした。ではなぜ自分がサッカーをしない選択が出来なかったのか、過去を振り返り、ここに書き記そうと思います。

少々長くなってしまいましたが、最後まで読んでいただけると幸いです。

自分は小学校4年生の頃にサッカーを始めました。きっかけはよく覚えていませんが、おそらくは仲の良い友達がいたからだと思います。自分はサッカーが好きでサッカーをやり始めた訳ではなく、ただ仲の良い友達と何かしたいという理由でサッカーを始めました。だから当時はサッカーに対する熱は微塵もなかったし、それどころか楽しいと思ったことすらなかったような気がします。こんな感じでやる気の欠片もなかった自分は、当時所属していたチームのGKが少なかったこともあり、いつの間にかGKをすることになっていました。GKをやり始めてからは、ひたすら打たれたシュートを止める日々でした。土のグラウンドで容赦なく半袖短パンで飛ばされ、数え切れないほどの痣と擦り傷を作りました。この頃はサッカーをやっていると言うより、やらされているという感じだったと思います。しかし、やらされていても着実に実力はついていき、5年生の時に地区のトレセンに選ばれ、6年生の時には県のトレセンの選考会に参加しました。しかし県のトレセンの選考会では、周りのレベルの高さに完全に萎縮してしまい、パスミスをして失点、当然のように不合格でした。不合格でも不思議と悔しくなかったのは、やはり自分がサッカーをやらされていたからだと思います。

中学校に進学し自分は部活動でサッカーを続けました。この時期くらいから、だんだんサッカーが楽しくなってきました。当時1年生だった自分はチームにGKがいなかったため、3年生の試合に出させてもらっていました。体の調子も未だ嘗て無いほど良く、自分よりも一回りも二回りも体の大きい相手のシュートを止め、悔しがる相手の顔を見るのがなによりの楽しみでした。どんなシュートが飛んできても絶対に止められるという感覚すらありました。しかし、1年生の12月に人生最大の絶望を味わいました。全治半年の右足首の骨折です。当時サッカーがたまらなく楽しかった自分にとって、半年間という期間はあまりにも長すぎました。現状に絶望し、何度も泣きましたが、周りのサポートもあり、なんとか前を向くことができました。それから自分は、怪我以前のあの感覚を再び取り戻すことを目標に自分自身の体と向き合いました。いろいろな人のご指導の下、右足首に負担をかけずにできる筋トレをひたすら行いました。しかし、復帰後の自分の体はもはや別のものでした。シュートに反応できないし思ったように体が動かない。いままで普通にできていたプレーができなくなっていました。そして、あの感覚が帰ってくることは二度とありませんでした。こんな感じで中学校の頃は、過去の自分を追い続け、気づけば引退していました。

高校は家から一番近く、進学実績もある渋川高校というところに進学しました。サッカーは決して強い訳ではありませんでしたが、真剣に取り組んでいるメンバーが多く、仲間には恵まれていたと思います。しかし、自分は怪我が多く、思うようにプレーを出来ることは多くはありませんでした。ただ、今までと違い怪我明けにコンディションをあまり落とさなくなるようになりました。自分で自分のプレーを言葉に落としながらサッカーをしていて、サッカーノートもつけていたからです。今思えば、人生で初めて自分からサッカーに対して何かしらのアクションを起こしたような気がします。入部してから1年とちょっとで先輩が引退し、気がつけば自分たちの代になり、試合に出させてもらえる機会も多くなりましたが、カップ戦では毎回1回戦で負け、リーグ戦では2、3勝しかできなかったと思います。負け試合が続き、段々とチームと自分自身に負け癖がついていくのを感じました。そしていつの間にか、試合に勝つことよりも試合でいかに活躍できるかを重要視するようになりました。なかなかチームが勝てないため、士気も上がらず、自分が何の為に痣や擦り傷を作ってまでゴールを守っているのかよく分からなくなり、別に無理してサッカー続けなくても良いのではと思うことすらありました。しかし部活を辞める程の勇気はなく結果的には3年の6月くらいに引退しました。ここで、サッカーとはお別れすることを誓い、本格的に勉強を始めました。

晴れて北大に入学。高校でサッカーを辞めることを決めていたため、大学でサッカーを続ける気は一ミリもなく、もちろんサッカー部の新歓にも行きませんでした。大学では、以前からはまっていたバドミントンを楽しむ程度にして、友達と遊んだり、おいしいご飯を食べたりと、大学生らしいことをしようと考えていました。そして大学に入学してから約2か月間、存分に大学生を楽しみ、大学は人生の夏休みとはよく言ったものだと感じました。けれど、なにか物足りなさを感じずにはいれませんでした。思い返してみると、自分からサッカーをしない選択をしたのは初めてであることに気が付きました。この時なんだかんだ自分はサッカーが好きであるということに気が付き、サッカー部の練習に参加することを決めました。実際に練習に参加してみて、部員の熱量に本当に驚きました。初めて本気のサッカーを目の当たりにし、即行で入部を決意しました。

自分はまだまだ技術的に未熟な部分がとても多く、部員の皆さんに迷惑をかけることが多々あると思います。そんな時は、気づいたことを逐一アドバイスしていただけたら嬉しいです。下手くそなりに頑張って行こうと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。少しでもチームに貢献できるよう、日々精進します!

#97 横山賢

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