何とかなる、何とかする

鶴本海人(4年/FW/札幌第一高校)

はじめに
 平素より皆様のご支援に心より感謝申し上げます。北海道大学体育会サッカー部主将の鶴本海人と申します。明日からいよいよ学生リーグが開幕します。4年目にとっては最後の学生リーグ、1.2.3年目にとっては来年に向けての五稜星(コナンから引用させていただきました笑)、来年からのリーグ構成に関わるみんなにとって非常に重要な公式戦です。後悔なく皆で笑って終えられるように部員一同目標達成に向けて精進します。今年度も引き続きよろしくお願いいたします。
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 2.3.4年目のブログを読んでてみんな書くの上手くねっていうのが第一印象でした。自分も負けないくらい書こうかなと思ったんですが、文章力はないので断念。とりあえず想い想いのことを書きました。非常に拙い文章にはなってしまっているかと思いますが、最後まで読んでいただけると嬉しいです。(松尾の感動ブログのフォーマットみたいなのは参考にしたつもり笑)
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 幼稚園の年長の頃からずっーとサッカーを続けている。スクールがあるクラブチームに友達の勧誘で体験に行ったことがサッカーと初対面だった。おぉ!これがサッカーか!面白い!と思ったのかもう記憶が遥か遠くで覚えてないけど、楽しかったんだと思う。そこから10年間同じチームでプレーを続けた。中3まで。腰椎分離症、鎖骨骨折、骨挫傷、オスグッドなどの怪我の経験は沢山あった。実質のプレー年数はあんま長くないんじゃないかな。7年間くらい。怪我しててもサッカー平気でやっちゃうようなヤンチャ小僧だった。それくらいサッカーが好きだった。

 高校はみなさんご存知札幌第一高校。高校2年生でインターハイ全国大会ベンチ入り。同じく高2の選手権決勝戦進出。準優勝で個人としては全試合フル出場。自分では才能があるとは思ってなかったし選ばれたのなんかはまぐれだったと思っている。だけどこんな貴重な経験をできたことは自分の自信になっているし、選手権決勝で点決めそうだった時の記憶は今でも鮮明に覚えている。(ちなみに右バック)
 改めて自分のサッカー人生を振り返ると恵まれていたと思う。指導者にもだし、ハイレベルな仲間と競い合える環境に置かれることが多かった。技術は決して高いわけではないけど、生まれ持った身体能力にものすごく恵まれたおかげで指導者にも試合でたくさん使っていただけた。

 道内で有名なクラブチームだったり私立高校だったりとは数多く対戦した。試合で上手くなるタイプだったから、どんどん上手くなるのが強く実感できた。高校の時なんかはエースキラーとまで呼ばれる化け物具合。1対1の守備に関しては絶対の自信があったし、今もその自信はある。当時(高校2年)はデュエル勝率はめちゃくちゃ高かったと思うし、全国大会のメンバーにも選ばれたからその一本でプロも目指せるんじゃないか!って心のどこかで思った。

 でも全国大会で矢板中央と当たって途中出場してみて全国の壁の高さを知った。結果自体は0-2だったけど、個人的にはこんなにも遠いんだ。努力して追い付けるものなのか?と思うような選手ばかりだった。テレビで見ていてあんま上手くないなーとか思ってる人も実際対峙したらめちゃくちゃ上手いんだろうなとその時実感した。それで心を折られてプロを目指す気持ちに蓋をするようになっていった。

 そんな気持ちもあって大学は身体能力生かしてパルクールとかトライアスロンとかやってサッカーから離れようかなーとも考えた。しかし、たまたま北大の先輩に本郷颯っていう男がいて過去何度も対戦したことがあり認知されていて見学きてみない?と言われたもので北大サッカー部見学だけ行こうかなーという軽いノリでいったらめちゃ驚いた。

 正直舐めてた。所詮北大サッカー部って大したことないやろ。こっちは札大のトップとかサブと毎週のように試合やってきてんだぞと。全然上手かった。想像してたより遥かに。雰囲気も最高だし、何なんだこの部活。めっちゃガチじゃん。

 気づいたら部活に入部しようと決めていた。何がきっかけかはわからない。けど、このチームで勝ちたい、輝きたいと思えた。一年入部時からほとんどトップチームでプレーさせてもらっていた。一年の時に一応学生リーグ全試合フル出場。いやでも忘れられない旭教戦での失点。最終節に失点に絡んだおかげで2年目に向けての冬練はめちゃくちゃ高いモチベーションで取り組めた。
 さぁ、2年目もいいスタート切るぞって思ったところでコロナ感染。開幕戦の出場、学生リーグ全試合出場の夢は潰えた。それでも翌週からは復調し体も動いてきたがチームの戦績は最悪。前期リーグを終えた。
 
 8月には初めて経験するトンペー戦。自分にとっては最悪の思い出。前十字靭帯断裂&半月板損傷。プロサッカー選手の宮市亮とかがなってたやつだ。医療系ってこともあったし、怪我の重さも知っていたから心底絶望した。そこから9月に手術、リハビリも開始。
 授業が忙しすぎてリハビリに行く時間があんまり取れなかった。そしたら医者から宣告された再手術を匂わせる言葉達。2月くらいから言われ始め3月には後2週間で膝が伸び切らなかったら再手術。悔しかった。怪我で泣くことはなかったけど初めて泣いた。けど遠征も行かずほんとに必死になってリハビリした。ギリギリで間に合った。「何とかなった。」めっちゃ喜んだ。免許も取れた。

 遠征終わってからすぐサッカーできるぞと思った矢先、遠征先で事件が起きた。びっくりした。行ってなかったから何してんだよって気持ちがすごい強かった。だけどサッカーへの気持ちは薄れなかった。3ヶ月で元に戻して完全体でみんなに会うぞと休み期間も頑張った。
 しかし、現実は厳しくなかなかトップのスタメンに名を連ねることはできなかった。いつになったら入れるんだろう。そんな中でも試合を経験して行く中で確実に成長できた実感はあった。
 
 それが実ったのが因縁のトンペー戦。他の人とは違うモチベで戦っていたような気がする。絶対に怪我しない!!終わった時すごく安堵した。何もなく無事終われた。「何とかなった。」

 そこからトップサブへは毎度の如く入れるようになった。だけど1年近くやってなかったブランクもあってやっぱりトップのスタメンには名を連ねられない。
 しかし怪我人が重なったこともあって学生リーグ道都戦、東海戦でスタメン出場。両試合とも活躍したとはいえないが勝利に何とか貢献できた。いい流れの時に出場できた。「何とか出れた!」よかった。

 でもまたチャレンジリーグの2節(国際戦、道都戦)は出れなかった。一部残留「何とかなった!」よかった。だけど一部残留をみんなで喜ぶ中、めっちゃ悔しかった。だからせめて最後の東海戦、残留は決まってるけど、絶対に出てやると思った。
 さぁ、スタメン発表。ボランチ鶴本。1番喜んだ。しかも田淵と組めた(勝手にアツいって思ってた笑)やっぱり「何とかなった。」結果は2-3負けだったけどめっちゃいい試合だった。
 そこからしばらくして主将になって1番大きな出来事(多分これから先起きないくらい大きな出来事)が起きた。詳細は話さないが、自分の判断は部員の未来を奪うかもしれないことを重々理解していたが、それでも主将として貫かなきゃいけないことではあると思った。心を鬼にして正直に報告した。自分勝手な行動だったのはわかってる。でもわかって欲しかった。これが部活動だって。貫くしかなかった。しんどかった。人生で1番泣いた。
 だから「何とかする」ために必死になってやれることをやり、他の首脳陣、部員とも皆で協力して最後までできることをやった。結果的に3年目は予定より早く戻って来れた。「みんなで何とかした。」本当にホッとしたし、この調子でチームが上向いていってほしいと願っている。

 現在実習で練習参加はほとんどできていないが自宅で毎日筋トレや体幹、ラントレをやって実力的に首脳から認めてもらえてる。「何とか試合に出れるようにした。」結果も出せてるから自信につながっている。

 ちょっとみんなへの想いも添えて。
 まずは1年生。先輩がけつは拭いてくれるから自信を持ってプレーしろ。次に2年目。主力勢がかなり多い年目だから自分達が率先して引っ張っていく意識でやってくれ。3年目はムードメーカーが非常に多い。チームの流れを変えられる選手達に、最高学年の手前の学年として責任と自覚を持って試合に臨め。マネージャーのみんなも選手をサポートよりも戦う「仲間」だと思って一丸になろう。全員仲間だ。
 最後に4年目の同期へ。それぞれどんなカテゴリーで出るかは確定しているわけじゃないけどどのカテゴリーで出ても最高学年としての自覚を持って戦ってほしい。それを普段の練習、試合でのプレー、声で見せてくれ。あとは、最後まで頼らせてくれ。自分1人じゃ何にもできない。4年目の協力が必要。最後まで力借ります。実力がないと言われてきた年目。最終学年くらいかっこいいとこ見せてやろうぜ。
 最後にみんなへ。サッカーを楽しむ気持ちだけは忘れないでサッカーしよう。大学まできて続けているのはみんなサッカーが好きだから、サッカーを愛しているから。そんな大好きなサッカー楽しんでやらなかったらもったいない。北大サッカー部らしく楽しんで勝とう。

 明日はいよいよ待ちに待った最終学年の開幕戦。何も臆してない。上しか見ていない。札大岩教に自分たちの代で勝ちたい。その域に到達するためには一部リーグの学園、東海、北翔には勝たなきゃいけない。だから余計開幕戦は負けられない。絶対に勝つ。
「何とかする。」自分が試合を決める気持ちで戦う。北大サッカー部界の前十字靭帯の怪我人の最高到達点として。説田周の師匠として。最高学年として。そして何より、キャプテンとして。

さぁ、勝ちに行こう、北大サッカー部。
最後に笑うのは俺たちだ。

#7 鶴本海人

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